卒酒のススメ①~「お酒をやめたい」ひとの背中を押すには

わたしの酒歴…

お酒を止めて、1年半以上が経ちました。

2021年6月のある日、ちょうどその時どうしてもやり遂げたい大きな仕事があり、その他の仕事もいくつか同時並行的に抱えていました。「今までと同じ生活をしていたら、仕事をこなせないな。何か生活を変えよう」と思い、アルコールをやめることを決めました。それから、年に数回、旅行や外食の際に乾杯程度はいただきますが、それ以外は飲まないようになりました。

アルコール代謝に有利な遺伝子をもっているのか、飲んでも顔色が変わらず、そうとう飲めるクチだと思います。そんなことから、大学時代から20代は、飲み会🍺の連続でした💦30代は、妊娠と授乳を2回繰り返したのでアルコールとは縁が薄くなっていましたが、第2子の授乳が終わってからは徐々にお酒を楽しむようになり、ビールやワインを夕食時に少しーということも増えてきました。量的には一般的に問題になるようなものではなかったですが、習慣的に飲むようになってきているということが自分でも気になっていました。また、年齢のせいか疲れやすく感じていました。

卒酒のきっかけ(おすすめYouTube&本)

そんなときに「アルコールを止めよう」と決意させたきっかけは、中田敦彦さんと、勝間和代さんのYouTubeでした。

アルコールに強くて、お酒の味も飲み会の雰囲気も大好きだったわたしとしては、「お酒の楽しみがなかったら人生損してる」という認識もありましたが、それは酒造メーカーによる広告やそれに配慮したマスコミなどさまざまな影響を受けていることを、中田さんのYouTubeから改めて認識したり、勝間さんのYouTubeからは断酒のメリット お金、時間、健康が手に入るというわかりやすいメッセージが胸にささりました。また、これまで、「お酒は少量ならむしろ健康に良い」といういわゆる「Jカーブグラフ」のデータが広く紹介されていましたが、近頃では少量でも悪影響を示すというデータが出てきていることも決心を後押ししてくれました。

中田さんのYouTubeで紹介されている以下の本もお勧めです。「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本(垣渕洋一、青春出版社、2020)

卒酒でどうなった?

あれほど好きだったお酒なのに、いざやめてみると、特に何の問題もありません。禁断症状的なものもありません。習慣になっていただけなのだと気づきました。また、睡眠の質が良くなったのか疲れにくくなったこと、お酒のせいでだるくなったり、動くのが面倒にならなくなったので、夕食後の時間が増えたことなど、断酒の効果を実感したことが継続を後押しし、習慣を形づくってくれました。結局、お酒というのは飲んでいるときは元気になるけれども、そのしわ寄せが後からきて、トータルで見ると元気になることはないのだと感じます。1日24時間しかない貴重な時間を、お酒の影響でボーっと過ごさなくてすむというのがすばらしく爽快ですし、お酒を飲むことで肝臓に負荷をかけたり、脱水を引き起こしたりしなくなり、身体を大切にできているというのを感じられるのも幸福感につながっています。

今後の人生で1滴も飲まない!というようなことではありませんが、習慣的に飲むことはもうないだろうと思います。

お酒の影響

ここで、改めてお酒の生活習慣病への影響をまとめてみましょう。もちろん、摂取量によりその影響は異なります。

体脂肪の増加

血中中性脂肪の増加

血中尿酸の増加

肝機能の悪化

高血圧

ある種のがんの発症

などに関連することが知られています。

生活習慣病以外では、うつ病や認知症などとの関連も報告されており、心身ともに健康に過ごしていくには、お酒との付き合い方を考えることはとても重要です。特に、中年以降、代謝や各臓器の調整機能が低下してくる中で、アルコールによる負荷を減らすのは重要と考えられます。

栄養指導で強く断酒を勧めるのは腰が引ける

実際、栄養指導では、お酒について話題になることも多いですが、管理栄養士はどうしても断酒について遠慮がちになりがちです。かつての私もそうでしたが、お酒が日々の楽しみや癒しになっていることが多く、それを取り上げたり我慢させたりするのは対象者に対して大きな負担になることが明白ですし、そこを強く指導することで栄養指導から心が離れて継続的な指導が難しくなる危険性もあるからです。ですので、1日量としての目安を示したうえで、休肝日を週に1~2回ほどは作りましょうというように、「量を減らす指導」になることが多いだろうと思います。

飲酒による悪影響が明らかなら、卒酒をすすめたい

 しかし、喫煙する時に「本数を減らしましょう」でなく「やめましょう」というのが効果的なように、お酒についても「減らす」のと「やめる」のでは得られる効果や実行しやすさが大きく異なると考えられます。お酒については「ちょっとなら、むしろ健康に良い」という免罪符データがこれまで存在していたこともあり、0にしましょう、ということはいってこなかった経緯があります。しかし、お酒の影響で、よくない影響が出ている人なら、0にすることをお勧めします。というのは、「減らす」だけだと効果を感じにくいですが、0にする効果は明らかであり継続の駆動力になるからです。

何となく「止めた方がいいかな」と思いながら惰性でお酒を飲んでいる人は意外に多いのではないでしょうか。そのような方のなかには、背中を押してほしいと思っている人がいるかもしれません。次の記事では、実際にお酒を止めて、変化を遂げた、ある経営者(40代、男性)の事例を紹介します。