自炊したい・できない!自炊を阻む壁と対策
自炊こそが、健康への近道
もちろん、自炊さえすれば、どんなものを食べても健康になれるわけではありません。
ただ、外食や市販惣菜で食事をすませるよりも、健康になり「やすい」ということです。
外食や市販惣菜や加工食品はコストを下げるために、たんぱく質を多く含む食品(肉、魚)やビタミンを多く含む野菜、果物をそれほど多く使うことはできません。
また、保存ができるように、また素材の味の劣化を補うように、味付け(塩、砂糖)を濃くしていることも多いです。
ゆえに、エネルギー・糖質・脂質はたっぷりだけれど、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足しがちです。
自炊を全くせずに健康を維持しようと思えば、素材や味付けにこだわった超高級店を利用するしかないでしょう。
でも、自炊ができない
自炊ができない=料理ベタ
と思われますが、料理が苦手なことだけが、自炊の障壁になっているわけではなさそうです。
確かに、料理が上手な方は、メニューもパっと思い浮かび、料理もササっと仕上げることができる、何よりも料理をするのが楽しいので、自炊へのモチベーションに欠くことはなさそうです。
料理がすごく好き、なわけではない管理栄養士・栄養学博士として、自炊ができない要因を分析していきます。
その前に、自炊の仕組みを確認しましょう。
食材の(過不足ない)調達
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調理
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後片付け
自炊というのは「調理」という主役だけでなく、その前後も含めての一連の作業であり、どこが障壁になっているかはケースバイケースなんだろうと思います。
自炊の壁を取り払う心構え
1.食材の調達の流れを作るべし!
食材を買いにお店に行くのって、時間も体力も使います。
「あ、あれが足りない」「買い忘れた」などで、何度も買い物にいくことになると、心が折れそうになります。
いかに、買い物を計画的に少ない回数で、楽な方法で乗り切るかーということが大切です。
わが家では「常に家に置いておく食材リスト一覧」を作成していて、そのリストを見ながら、家に在庫が少なくなっている食材をリストアップしてから買い物に行ったり、宅配を頼んだりします。
そうすることで買うべきものが漏れることを防げます。
また、重いものは少々高くても、宅配やネットスーパーなどを使って体力温存。
水曜日に宅配が届く、土日に買い出しに行くーというだけで、1週間の食材はほぼ確保していて、余裕があれば、平日に買い物に行くこともあります。
ひとり暮らしの場合は食材の難度が高いのですが、1週間に使用する食材の全体量をつかめると買い物も無駄がなくなります。
野菜室でしおれた葉物野菜を見つけたときの、悲しい気持ちを味わわないためにも、適量を購入して、しっかり使い切っていくサイクルを作り上げることが、肝 なのです。
2.立派な料理・食事を作らなくてよい!
メニューを考えるのは大変です。わたしも、管理栄養士として数多くの料理を知っているはずなのに、疲れていると頭が回らず、同じような料理のローテーションになりがちです。
みなさん、お店のような食事を作らなければいけないという思い込みを捨てましょう。
ごはんを炊き、具沢山のお味噌汁をつくり、魚やお肉に塩を振って焼けばよいではありませんか!
お味噌と塩とだし汁があれば、だいたいおいしいものができます。
なんてこともないサラダも、きれいなお皿に盛れば、おいしく感じるものです。
3.後片付けは、食洗器に手伝ってもらうべし!
食洗器は、一人暮らし用の小さなものから、シンク横に置くタイプ、システムキッチンに組み込まれているものなど、様々なタイプがあります。
後片付けがつらくて自炊ができない場合は、迷わず購入するとよいと思います。
また、傷んだ食材が冷蔵庫に残ってストレスを感じないよう、ちょうどよい量を調達し、料理するコツをつかんでいきましょう。
【いちばん大切】生活時間のなかに、食事の諸々にかける時間、労力を確保しよう!
わたし自身、独身時代(ひとり暮らし)のときに、自炊がなかなかできなかった経験があります。
振り返ってみると、仕事と遊びなどを優先して、食事の準備に費やす時間や労力を生活の中に確保できていなかったということがあります。
1日24時間のなかで、節約できる時間はなにか、どの時間を食事に関することに回せるかーということを考えてみることが大切です。
意外にスマホ時間やテレビ時間で多くの時間を使ってしまっていることがあります。
できるだけ時間をかけずに自炊を目指すことはいいことですが、やはりある程度の時間を捻出できるように生活を見直してみましょう。
おまけ
食材を自分で調達しなくてよい、メニューを考えなくてよい、食材を無駄にしないーという
上で説明した問題をクリアしてくれるサービスが、食材キット宅配サービスです。
老舗のヨシケイや、勢いのあるオイシックスなど、自炊の壁を見事に解決するサービスを提供しているのはすごいですよね。
レシピサイトとネットスーパーの連携(クラシル)なども進んでいるようですので、今後の「食」サービスの発展が楽しみです。