ご飯に悩む…子どもが胃腸炎になったときの食事は?【レシピあり】
コロナ禍で子どもの感染症が大きく減っていますが、胃腸炎はみられると子どものかかりつけの先生がおっしゃっていました。
無理に食べさせると嘔吐下痢がひどくなるし、かといって脱水や消耗も心配だし、食事の食べさせ方には悩みますよね。
そこで、子どもが胃腸炎になったときの食事について説明します!
まずは水分:経口補水液
とにもかくにも水分補給。
ただし、まずはひとさじ。少しずつにしましょう。
経口補水液は、水分が速やかに吸収されるように、糖質と電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)の量が調整されています。
一般のスポーツドリンクに比べて、糖質が少なく電解質が多いので、甘みが少なく塩っぽく感じます。
嘔吐や下痢があり食事が十分にとれない時は電解質が不足することがあるため、電解質が多く含まれる経口補水液がおすすめです。
トップブランドは、OS-1(大塚製薬工場)ですが、アクアソリタ(味の素)もあり、それぞれ飲料タイプとゼリータイプがあります。
子どもはゼリータイプを好みますが、子どもが2歳くらいのときにゼリーがそのままオムツに現れたことがありました。ゲル化剤の増粘多糖類が消化できなかったのでしょうね。
食事を始めるーアブラとセンイが少ないものを
主食系
食事を開始するときは、主食系から始めましょう。
白粥に梅干しーを好むキッズはあまりいません!お粥より雑炊のほうが食べやすいです。
●卵と豆腐の雑炊
●かぼちゃとしらす干しの雑炊
だし汁に薄口しょうゆとみりんをいれた「だしベース」に、具材と炊いたご飯をいれて煮ます。卵とじの場合は最後にとじます。
味付けが面倒な時は、ヒガシマルのうどんスープ(▶これ)だけで味付けできますよ。
●煮込みうどん
豆腐やにんじんなど、少し具材を入れるといいですね。
おかず系
●食材の選び方
主菜として、卵と豆腐、白身魚、鶏肉を使います。
野菜は、ゴボウやトウモロコシなど繊維の硬いもの、海藻やこんにゃく、きのこなどの消化の悪いものは避けましょう。じゃがいも、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などが使いやすいです。
●調理法
生で食べるのは避けて、軟らかくなるまで火を通します。調理に油は使いません。
●料理例
▼じゃがいもの煮物は安心して食べられます。
▼ブロッコリーを下茹でしておきます。しょうゆとみりんで味付けしただし汁に油揚げを入れて煮立たせて、ブロッコリーを入れて少し煮ます。油揚げはお腹の具合をみながら。
▼煮魚は、たら、たい、すずきなどの白身魚や鮭がおすすめです。焼くよりも、煮たり蒸したりするほうが食べやすいでしょう。
その他に、みそ汁に消化の良い具材を入れて一品にするとよいです。
量は少なめで
下痢や嘔吐があるのに、子どもがわりと元気で食べたがるときもあります。
しかし、くれぐれも食べる量は少しずつに。
症状がつらいときは、いつもの半量を目安に盛り付けましょう(もちろん全量食べられなくてもかまいません)
乳製品にも注意
牛乳とヨーグルトも、急性期には止めておきましょう。
お腹の回復をみながら、冷たくない牛乳を少しずつ始めます。
離乳食を思い出して
脂質と食物繊維の少ない食材を軟らかく煮て少しずつーこれは離乳食の原則です★
何を食べさせればよいのかわからなくなったときは、離乳食の味付けを少し濃くしたものをイメージしてください。
早く元気になぁれ
どこで聞いたのか忘れてしまいましたが、小児科の先生が「『手当て』が大切。お子さんがつらいときは、お腹や背中をさすってあげてください」という話をされていました。
科学的でないような気もしますが、そういう心理面が免疫システムに影響することは科学的にも明らかになってきています。
▶がんに関する論文です。The influence of bio-behavioural factors on tumour biology: pathways and mechanisms
好きなものをいっぱい食べられるようになるまで、もう少し頑張りましょう!
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