子どもが賢くなる食事はありますかーに対する管理栄養士・博士(栄養学)ママの答え

先日、主に小中学生を対象とした教育関係のお仕事をされている方から「子どもが賢くなる食事ってありますか?」と質問していただきました。

このところ、子どもの学力を伸ばすための食事の本がいくつか出版されているのが気になっていたので、関心が高いことを再認識しました。

子どもの食事の本

子どもの食事の本の王道といえば、

離乳食の本

です。生まれて初めて食事を与えるということで気合が入ります。

しかし、それを乗り切ってしまえば、幼児期の偏食や食べムラに悩むことはありながら、とりあえず何か食べてくれるということで子どもの本をわざわざ買うまでの動機付けは少なくなりがちです。

(幼児期~中学生までを対象とした本を昨年出版しましたので、ぜひお読みください笑)

小学生に関する栄養の本では、スポーツをしている子ども(ジュニアアスリート)の向けのものが以前からありました。

それに加えて、最近では「頭がよくなるための食事」「集中力が高まる食事」「塾通いを食事でサポート」といったテーマの本が見られるようになっています。都市圏では中学受験が熱心になっていることに関係しているのでしょうか。

賢さに対する食事の影響

私は2人の子どもを育てていますが、管理栄養士・博士(栄養学)という特性上、食事には割と気を付けているつもりです。しかし、食事を気を付けていなかったら、子どもたちの学力や集中力が今とどう違うのかは、試すことができないのでわかりませんし、試したとしても例数2なので、大した価値のない情報です。ですので、先行研究などの結果に頼るしかありません。

感覚としては、知能や集中力というのは持って生まれたものや個人差が大きく、食事を変えたところで「本来の力に比べて、明らかに高まる」というのは難しいのではないかと思います。

しかし、好ましくない食事によって「本来の力が発揮できていない状態」になることは考えられ、それを食事を整えることにより「本来の力」に戻すのはできる可能性がありそうです。

糖類(砂糖、砂糖入りのジュース・菓子・加工食品)のとり過ぎや、野菜・果物の不足があれば、それを改善してみる価値は十分にありそうです。

また、主菜は子どもが大好きな肉類・卵類に偏りがちですが、魚介類や大豆製品もしっかり摂ることで、n-3系多価不飽和脂肪酸やビタミンD、食物繊維、カルシウムの不足が防げます。

子どもの食事を考えるときに何を目標にするか

個人的には、子どもの食事を考えるときに、頭をよくするためにという目標は設定していません

1.日々元気に過ごせること

2.しっかり成長できること

3.生涯にわたる好ましい食習慣を作ること

という心身の健康全体を目標にしています。心身の健康のための食事と賢くなるための食事は、全く同じものであり、別に考える必要はないと思っているからです。

子どもを賢くするための、食事の配慮

こどもを賢くしたい!と考えるなら

1.糖類(砂糖、砂糖入りのジュース・菓子・加工食品)をとり過ぎない

2.毎食に野菜をとる。毎日、果物をとる

3.主菜は、肉類・卵類に偏らず、魚介類や大豆製品もしっかりと

4.「超加工食品」を食べ過ぎない

この4つを心掛けてみるとよいでしょう。繰り返しになりますが、これは賢さに特化したことでなく、健康的な食事の基本です。

食卓は、心とからだのエネルギー補給の場所

あと、子どもの集中力を高めたり知能を生かすためには、安心感やリラックスした時間が必要です。

楽しい食事時間は安心感やリラックスそのものです。

栄養バランスばかりに気をとられて、食事のおいしさや楽しさを忘れないようにすることも大切です。

たまに手抜きしたりきちんとできないことがあったりしても、気にしすぎずに、明るく会話の多い食卓にしたいですね!