食と炎上:人はいつ、どうやって正しい食べ方を学ぶのか?その②

前回の記事のおさらい

家庭での食教育の機会が減っている可能性があること

その代わりになり得るのが、高校までの家庭科の授業であること

しかし、高校卒業後の約30年後に、特定保健指導や病院での栄養指導を受けるまで、専門的な食教育を受ける機会はないこと

を紹介しました。

高校卒業から中年になるまでの食教育

”20歳手前から、中年期になり病気が顕在化してくるまでの期間(青年期・壮年期)”に、どのような食生活をしているかが重要です。

心臓病にしても、がんにしても、何十年もかけて発症に至ることがあります。

「若いから大丈夫!」なわけではないのです。

しかし、青年期・壮年期に、系統立てた正しい最新の知識を食の専門家から教わる機会はほぼないといってよいでしょう。

興味関心のある人は、栄養や食事に関する書籍を買うなどして学んだり、フィットネスクラブに所属する管理栄養士から指導を受けたりするかもしれません。

インターネットで得る食情報の正確性

しかし、多くの人は、インターネットでの記事やSNSでのセレブの食事に関する発信などが情報源となるのではないでしょうか。

FacebookやGoogleは主に広告収入で成り立っているので、利用者がより多くの記事や投稿をクリックしてもらう必要があります。

例えば「野菜は1日に350gを目安に食べましょう。野菜を食べることで~~の効果があります」などという科学的な情報を投稿しても、それに対して議論は起こりにくく、コメントも増えず、シェアもされないでしょう。

しかし、セレブが「パレオダイエット(旧石器時代食)」で、肌がつやつやになった!」などと発信すれば、いいねボタンが押されたり、”いやいやパレオダイエットは~~~の理由で危険だ、辞めたほうがいい」などとコメントが寄せられ、大きな「つながり」が生まれます

FacebookやGoogleのアルゴリズムは、このような「つながり」のある記事を「良い記事」と判断し、この記事・投稿がよりたくさんの人に広がるような機会を作っていきます。その結果、さらに、FacebookやGoogleのなかでのランキングが上がっていきます。

インターネットでの情報というのは、科学的な正しさによって広まるものではないということを肝に銘じておかなければなりません。

そもそも、食や栄養に関するニュースに反応していないと、関連情報を目にする機会は無いのかもしれません。

(ちなみに、私は栄養や食の情報をよく読むので、Googleは私に「管理栄養士が解説!●●の健康効果」のような記事を次々と表示してきます。。。)

マイナンバーカードと連携したスマホアプリで健康管理する時代がくる!?

将来的には、マイナンバーカードで治療歴や処方されている薬剤、健診結果などと全て紐づいたアプリが国民のスマホに標準装備され、そのアプリを通して、食事・栄養情報を提供するようになるのかもしれません。

でも、そのようなシステムの稼働が可能になったとしても、どのような情報をもつ人にどのような食生活改善のアドバイスを送るかという専門的な検証は簡単ではなさそうです。

でも、希望は見えます。

しかし、その時代が来るまでは、ぜひ以下の本をお読みいただければと思います笑。