理想の食事を説明するだけの栄養指導は、「とにかく勉強しなさい」と同じくらい雑だと思う。

似てる!

「勉強しなさい」と言われて、「はーい!すぐやります!『勉強しなさい』って言ってくれて本当にありがとう♡」と答えて、勉強に取り組む子どもって、世の中にどのくらいいるのでしょう?

「健康になるための食事はこれですから、これを食べてください」と言われて、「はーい!今日から教えてもらった食事に変えます!『理想の食事』を教えてくれてありがとう♡」と答えて、食事改善に取り組む栄養指導の対象者って、どのくらいいるのでしょう?

と考えました。

栄養指導の定型

栄養指導のなかで「理想の食事」を説明し、モデル献立を示すことがあります。そして、食べるのを控えるべき食品、食事を説明します。

もちろん、対象者に食事をイメージして、ご自身の食事との違いに気づいてもらうために有効です。

しかし、説明された食事が自分の食べなれた食事とかけ離れていれば、どこから手を付けてよいかわからないことがあるし、ここは変えたくないという部分もあるでしょう。

オーダーメイド栄養指導

栄養指導では、まずどこから食事を変えていくか、そのための方法は?ここはきちんとできているので今のままでOK!楽しみの維持のために許容するのはどこの部分か、などを対象者ごとに掘り下げて話す必要があります。

オーダーメイド「勉強しなさい」

「勉強しなさい」と言われた子供も、どこから勉強に手を付けてよいかわからないことがあるし、この科目・単元はやる必要がないと考えていることもあるかもしれません。

「勉強しなさい」と言い放つだけでなく、どこが難しいのか、どのような問題集をどのようなペースで進めていくのか、得意科目を強化するのか、苦手科目を底上げするのか、どこを目標にしていくのかということを話して、勉強するサポートが必要です。

脅しと説得では食事は変わらないし、勉強もしない

管理栄養士は「食事を変えると検査値が改善しますよ」と説得したり「食事を変えないと合併症が…」と脅したりしながら、食事療法への意欲を引き出そうとします。

これって「勉強しておいたら将来役に立つよ」と説得したり「勉強していないと困るよ…」と脅しがちな親のセリフと似ていることに気づきました。

でも、意外に効果が少ない気がします。

挑戦する意思のシグナルを捉えてサポートする

完全に食事改善に前向きでない対象者であっても、どこかで変えたいと思っている。ただ、方法が難しくて途方に暮れていたり、これまで何度も失敗してきた経緯があったりする。

栄養指導では、知識を伝えなければいけないことも多いけれど、伝えて終わりでなく、

「いろいろとお話ししましたが、できそうなことはありますか」と問う。

それに対する対象者の答えを捉えて、対象者が望んでいることや必要としていることを明らかにし、ハードルの低い方法に落とし込んでいくことをサポートしたいですね。

さいごに

栄養指導の対象者を子どもに例えて失礼千万の記事になってしまいました(><)。

勉強に取り掛かるのがしんどいのと同じように、長年の親しんだ食習慣を変えるのはとてもしんどいです。

管理栄養士は、栄養指導で対象者にそれを要求していることに自覚的になるべきです。

そして、栄養指導は難しいけれど、とても重要であることに誇りをもって、いい栄養指導を積み重ねていきたいですね!

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