管理栄養士になるための大学どう選べばよいの?選びかたの視点
進学先選びが本格化してくる季節になりました。
管理栄養士を目指しているみなさんは、どのように大学を選んでいますか?
・地理的条件
・偏差値
・学費
・大学のブランド、イメージ
などが大きいと思います。
本記事では、それ以外で学校を選ぶ視点をご紹介したいと思います。
管理栄養士養成課程とは
管理栄養士を養成するための教育機関(管理栄養士養成課程)は、全国に149あります。
管理栄養士:全国栄養士養成施設協会 (eiyo.or.jp)
これらの学校(すべて4年生)を卒業すれば、卒業と同時に管理栄養士国家試験を受験することができます。また、卒業時に栄養士免許を取得できます。
管理栄養士養成課程以外の学校で、栄養士免許を取得することはできますが、その場合、数年の実務経験を経てからしか管理栄養士国家試験を受験することはできません。
そのような意味からも、管理栄養士課程での教育内容は厚生労働省により規定されており、教育内容についても監査がおこなわれています。
管理栄養士になるためには、管理栄養士養成課程に入学するのが最も近道です。
管理栄養士養成課程の分類
まず、
- 大学(4年)
- 専門学校(4年)
にわかれます。
また、大学のうち
- 国立大学
- 公立大学
- 私立大学
に分けられます。
国立大学は研究が熱心な傾向があります。ただ、前身が女子師範学校の大学の場合、教育に関しても重要視されます。
公立大学は、もともと地方自治体の医療や福祉関係の専門学校あるいは短大だった学校が、公立大学となった例が多いです。地域に貢献する人材の育成や地域貢献に重きを置かれます。大学になってからの歴史が長い大学は研究が熱心におこなわれている傾向があり、歴史がそれほど長くない場合は専門職育成に力を入れている印象があります。
私立大学に関しては、次のパラグラフでみていきます。
どのような学問の流れを引いているかと、その影響
現在は、管理栄養士養成課程として教育をしているが、もともとはどのような教育をしていた学校だったかという点に注目してください。
- 家政学をベースにした管理栄養士養成
- 農学(食品学)をベースにした管理栄養士養成
- 医学をベースにした管理栄養士養成
薬学をベースにしている学校もあります。
上述したように、管理栄養士養成課程の教育内容は厚生労働省が定める基準があるため、いずれの大学でも大きな差はありません。
しかし、基準に加えて、ある分野の科目を追加して強化していたり、大学ならではのカリキュラムが用意されていたりすることがあります。そこに個性が出ますし、その個性は、その大学がどのような学問・教育の流れを引いているかに影響を受けるように感じます。
農学や医学、薬学がベースになっている大学は研究がよくおこなわれている傾向があり、家政学をベースにしている場合は教育に重きを置いている印象があります。
もちろん、例外はあります(次のパラグラフで)。
家政学を背景とした女子大学
歴史的に、女子大の家政学部では女子教育がおこなわれてきました。衣食住について学び、よい家庭の主婦になるということが目指されてきました。
しかし、現代においては、その考えをそのまま続けるわけにはいきません。そこで、各大学がどの方向にかじを切っていくのかという部分に特色が出ます。医療での活躍を意識するなどの新しい特色を打ち出している大学もあります。
また、卒後に管理栄養士として活躍するような教育を強く押し出している大学もあれば、大学では栄養学を学び管理栄養士の国家試験は受けるけれども、一般企業(食品・健康関連も含む)に就職し、管理栄養士免許は使わずに仕事をしていく卒業生が多いという学校もあります。
そのあたりの雰囲気をオープンキャンパスなどでつかめるとよいと思います。
大学は教員がつくる
教員は単に授業で教えるということだけでなく、学生に将来のビジョンを描かせるメッセージを発信するうえで、大学の雰囲気を作り出します。
私は何となく管理栄養士養成課程に入学したタイプですが、大学で出会った優秀な先生方が、朝から晩まで研究をされていて、しかもそれを面白そうに楽しそうに学生に話される姿をみて、「栄養学っておもしろいんだなー。価値のある学問なんだな」と、取り組まれる態度から感じました。
教員の生き様をどう学生に伝えらえるかが大切だと思います。
まとめ
管理栄養士養成といっても、幅広く多様な価値観があります。
高校生はそのすべてを知って入学することは難しいと思いますし、私もよくわからないまま入学したのが実際です。
入学するご縁のあった学校で精いっぱい学ぶことがよいと思いますし、他大学の大学院に進学して、新たな学びを得るのもよいと思います。
管理栄養士を目指す皆さんが、よい学校にご縁があることをお祈りしています!