新型コロナウィルス感染症流行:癒しのための食行動で砂糖・塩・油をとりすぎる

2020年3月27日に、国連食糧農業機関(FAO)は “Maintaining a healthy diet during the COVID-19 pandemic”という文書を発表しました。

新型コロナウィルス感染症が流行している間、健康的な食生活を維持するための方法が書かれています。

重要な部分を訳したものが、日本栄養士会のホームページに載っていますので、ぜひご覧ください。

その文書のなかで、「高いストレスにおかれた人の多くは、癒しとして食品を使う」という記述に注目しました。

COVID-19流行の中で、人々は、罹患を恐れる不安、外に出られないというストレス、家族内でのコミュニケーションエラー、失業や所得の減少といった経済的な問題、娯楽を失われたストレスなど、複合的で大きな心理的ストレスを抱えています。

そのようなときに、人々の癒しになるのは

  • 砂糖
  • アルコール

非常事態に対応する動物の本能として、栄養価の高い砂糖や油を欲しているとも考えられますし、より高次の報酬系の食欲が「おいしい」砂糖や塩、油を食べさせるもかもしれません。

  • 砂糖→砂糖入り飲料、菓子類
  • 塩→菓子類、漬物や塩辛、アルコールのつまみ
  • 油脂→菓子類、ピザ、フライなど

が多くなっていないかをチェックする際には、食品表示を確認することが大切です。

持病をお持ちの方は、血圧や血糖値のコントロールが悪くなることがあるかもしれませんので、かかりつけ医や管理栄養士に相談してください。

食事のコントロールがうまくいかない根底に、ストレスや不安があるかもしれません。食事だけ改善しようとせずに、心の状態を整えるための戦略ー会話や趣味、運動、睡眠などーも同時に実行しましょう。

FAOの文書には、健康と免疫システムを維持するために必要な食事以外の要素も紹介しています。

そして、忘れないでください、健康的な食事に加えて、他のライフスタイルの要素は健康と免疫システムを維持するために重要です。 

• 禁煙

• 定期的に運動する

• 十分な睡眠をとること

• ストレスの最小化と対処

Maintaining a healthy diet during the COVID-19 pandemic (FAO)