在宅勤務で体重増のあなたへ!間食に手が出にくい食事のとりかた
答え:食事でたんぱく質をしっかりとることです。
たんぱく質をとることが体重コントロールに重要であることはよく知られています。
その理由は、主に2つあります。
- たんぱく質の摂取は、エネルギー消費量を増加させる。
- たんぱく質の摂取は、満腹感を高める。
このうち、より影響が大きいのは、2.の満腹効果(=食欲抑制効果)と考えられています。
たんぱく質を摂取すると、体内でアミノ酸に分解されて吸収され、血中に移行します。Mellinkoff SMらのグループは、60年以上前に、血中アミノ酸濃度が高くなると食欲が抑えられることを報告しています。
Mellinkoff SM, Frankland M, Boyle D, Greipel M. Relationship between serum amino acid concentration and fluctuations in appetite. J Appl Physiol 1956; 8: 535-8.
その後、たんぱく質と食欲の関係については数多くの研究がおこなわれてきました。
もちろん、炭水化物をとっても、脂質をとっても満腹感はあるのですが、最も満腹感を感じやすいのは「たんぱく質」であると考えられているのです。
Simpsonらは「プロテイン・リバレッジ仮説」を提唱しました。ヒトは、体内のたんぱく質(筋肉や血液など)を維持するために摂取すべきたんぱく質量を口にするまで食事をし続けるのだと説明します。
Simpson SJ, Raubenheimer D (2005) Obesity: the protein leverage hypothesis. Obes Rev 6: 133-42.
その考え方では、たんぱく質をあまり含まないポテトチップスとコーラばかりを食べていると、食欲はおさまらず、ポテトチップスとコーラを食べ続けることになります。そうすると、エネルギー摂取量が過剰となり体重が増加します。
一方、肉や魚、卵、大豆を必要量とっていると、エネルギー総量としてはそれほど多くなくても食欲がおさまってくるというわけです。
■まとめ
在宅勤務では運動量が減少するだけでなく、つい間食をとってしまうことが増えます。小腹を空かせないために、パンだけ、麺だけの食事にせず、食事ごとに、たんぱく質性食品(肉、魚、大豆、卵)をとるようにしましょう。
(参考文献)
Westerterp-Plantenga MS, Lemmens SG, Westerterp KR. Dietary protein – its role in satiety, energetics, weight loss and health. Br J Nutr 2012; 108 Suppl 2:S105-12.