休日寝だめに注意!ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)と抑うつ症状
ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)が注目されています。
ソーシャルジェットラグは、仕事や学校のある日(平日)と仕事や学校がない日(休日)で睡眠のタイミングがズレることで生じる不調をいいます。
平日は、12時に寝て6時に起きている人が、金曜日の夜は2時まで夜更かしし午前11時まで寝る。すると、土曜日の夜はまた遅くまで起きていることになり、日曜日も昼前起床。日曜日の夜も遅くなるが、月曜日の朝は6時起きーという具合に、体内時計がくるってくるのがソーシャルジェットラグです。
ソーシャルジェットラグが、肥満や抑うつ状態・うつ病などに影響すると指摘されています。
しかし、ソーシャルジェットラグとうつ病の関係を示すしっかりとした研究はなかったということで、シフトワーカーでない日本人労働者において、ソーシャルジェットラグと抑うつ症状との関係を明らかにした論文が今年に入って発表されました。
1404人の労働者を、ソーシャルジェットラグが「1時間未満」「1-2時間」「2時間以上」の3グループに分けて、CES-D(うつ病自己評価尺度)の点数が16点を超えることとの関係をみたところ、ソーシャルジェットラグが大きいと抑うつの可能が高い結果となりました。
ちなみに、ソーシャルジェットラグの算出方法は以下です。
平日の睡眠中央時刻(就寝時刻と起床時刻の中間点)から休日の睡眠中央時刻をひく
あなたの、ソーシャルジェットラグは何時間ですか?
食事調査の結果も示されています。
栄養学的に興味深いのは、ソーシャルジェットラグが大きいと摂取が少ない栄養素があったことです。
- マグネシウム
- カルシウム
- 鉄
- 葉酸
- ビタミンC
これは、野菜や豆類、海藻などが不足していることが推測されます。
ただし、ソーシャルジェットラグが大きかったのは、女性、若い年齢、未婚でした。ソーシャルジェットラグそのものというよりも、対象者背景によるものかもしれません。
少なくとも、ソーシャルジェットラグにより体内時計の乱れが起きている人は、食事指導も合わせておこなう必要がありそうです。