GABAと睡眠の質と機能性表示食品。

GABA、はγ-アミノ酪酸 (gamma-aminobutyric acid) の略称です。

食品にも含まれているGABAですが、睡眠のコントロールに大きな役割を果たしています。

「眠る」ときの流れです。

1.脳の「睡眠をコントロールする部位(視索前野)」がGABAを作り出し、脳幹にGABAを送る。

2.脳幹は「覚醒物質」を作る働きをする場所だが、GABAがその働きを抑える。

3.覚醒を抑えて、睡眠を促すことにつながる。

このGABAの作用を高める睡眠導入薬が多く販売されています。

となると、GABAを多く含む食品を食べれば、睡眠が促されるのでは!?

と思います、よね?

しかし、残念ながら、GABAは脳内にほとんど入らないのだそうです。(血液脳関門をほとんど通らない!)

つまり、GABAを食べても脳に到達しないので、脳での睡眠を促す作用が期待できないということです。

しかし

GABAを含む食品は、睡眠の質を対象とした「機能性表示食品」として販売されています。

睡眠の質を対象としたGABAを含む「機能性表示食品」は、脳への作用でなく、自律神経(交感神経、副交感神経)への影響を与えることによる睡眠の改善というメカニズムを説明しているものが多いです。

ちなみに、機能性表示食品は比較的新しい制度で、特定保健用食品のように臨床試験に関する個別の国の審査が不要です。

機能性表示食品は、もちろん臨床試験をしてもよいのですが、それ以外に、販売する商品や、商品に含まれる成分に関する文献を調査してその効果をまとめたものを届けることになっています。

文献の調査といっても、集める文献の質や数についてあまり厳しいことが求められないようです。消費者庁のホームページで、届け出内容を確認することができます。

消費者は、機能性表示食品の位置づけをよく理解して利用する必要がありますし、管理栄養士もしっかり理解して、場合によっては届け出内容を確認して対象者に説明しなければいけません。