必ずツッコみたい!「栄養たっぷり」「栄養いっぱい」ってなに?
以前に「ワインと旬のお野菜」を売りにしたお店にいったことがあります。
そこは、野菜のグリルやバーニャカウダなど、旬の野菜を味わえるお店でした。
店員さんが、「この『はなっこりー』は、中国野菜のサイシンとブロッコリーをかけあわせてつくられたもので、栄養たっぷりなんですよぉ~」となどと、野菜について丁寧に説明して、注文した料理を置いていってくれました。
店員さんがいなくなったあと、私と知人(管理栄養士)は、顔を見合わせて、「栄養って何?」とツッコみ、大笑い!
家でも、テレビやコマーシャルで「栄養いっぱい」ワードを聞くと、「栄養って何?ビタミンCが多いとかカリウムが多いとか具体的にいってほしい」とブツブツ言うので、家族が「またか」とあきれています。
■「栄養たっぷり・栄養いっぱい」の定義とは?
- ビタミンが豊富
- ミネラルが豊富
- たんぱく質が豊富
といったところでしょうか。食糧難の時代なら、炭水化物や脂質も「栄養たっぷり」扱いを受けたかもしれませんが、現代でいうと、ビタミン・ミネラル・たんぱく質を指すものと考えられます。
栄養を専門にしていないかたが使うならまだしも、栄養の専門家が使ってはいけない言葉ですね。
似た言葉として要注意なのが「バランスのよい食事」
これも、はっきりしません。
- エネルギー産生栄養素比率(たんぱく質・脂質・炭水化物の割合)が適正なこと
- 多くの食品を用いて、様々な調理法、味付けを組み合わせていること
- 朝、昼、夕食の配分が適正なこと
このあたりを指していると考えられますが、「バランスのよい」だけで片付けずに、具体的に伝える必要があります。
「栄養たっぷり・栄養いっぱい」という言葉を聞かなくなる日を楽しみにしています。