n-3系多価不飽和脂肪酸を何でとる?魚派 vs. 植物派

nー3系多価不飽和脂肪酸は身体にいいらしいというのは、健康通の間では常識ですね。

nー3系多価不飽和脂肪酸は、大きく2つに分類されます。

  • 魚類由来のEPA、DHA
  • 植物由来のαリノレン酸

魚類由来のEPA、DHAは、サバやイワシなどの青魚に多く含まれています。

また、αリノレン酸は、シソ油やエゴマ油、亜麻仁油などに多く含まれています。

元々は「魚の油は身体にいい」から始まった、nー3系多価不飽和脂肪酸キャンペーンですが、最近では、αリノレン酸を含む油が多く販売されており、食生活に取り入れやすくなっています。

さて、nー3系多価不飽和脂肪酸の健康への効果はいかほどでしょうか。

EPA、DHAが循環器疾患の予防に有効であることが観察研究で示されていますが、介入研究では予防効果がはっきり示されていません。

また、αリノレン酸の摂取の多さと循環器疾患の発症率・死亡率の低さが弱く関係することが観察研究で示されています。

圧倒的な効果が示されていると思いきや、意外にもやっとしています。

我々の研究グループは、肥満の男女に、飽和脂肪酸の制限とnー3系多価不飽和脂肪酸の制限を指導し、28日間後の食事摂取量や血液生化学検査、体重測定を実施しました。(肥満者における緩やかな炭水化物制限に脂肪酸の指導を加える影響 : 実践的な栄養指導プログラムの検討

その際の、nー3系多価不飽和脂肪酸制限の指導内容は、

  • 成人の目安量を摂取できる魚類の一覧表を提示して魚類を積極的に食べる。
  • 魚類が摂取できない日は、「えごま油」1包(3g)を摂取する。

●使用したえごま油→朝日 えごま油

その結果、

魚を摂取したのは平均8.0日、えごま油を摂取したのは平均20.5日でした(両方食べた場合があるため、合計が28日以上になっている)。えごま油でもよいというオプションがあれば、摂取するのが簡単なえごま油が主な摂取源になるという結果で、摂取調査に合わせて、血中のαリノレン酸濃度も増加していました。

EPA、DHAの魚油グループとαリノレン酸の効果が同じか異なるのか、両方摂取した時にどのように影響し合うのかなど、これから明らかになっていくのを期待します!

特に、えごま油などの植物油が摂取しやすいことが分かったので、植物油αリノレン酸の効果に注目していこうと思います。