コレステロールの高い人ほど、食事でコレステロールを下げることができる!
コロナ禍のために、健康診断が延期になっている方も多いのではないでしょうか。
コレステロールが高い方、気になりますね!
さて、血中LDLコレステロールの基準値です。
- 140mg/dL以上: 高LDLコレステロール血症
- 120~139mg/dL: 境界域高LDLコレステロール血症
血中コレステロール値は、食事からのコレステロール摂取量【食事因子】と、肝臓での合成、腸管での吸収量、排泄量、胆汁酸の排泄量【身体因子】により調節されます。
つまり、血中コレステロール値は、身体の因子の影響を受けること、また身体因子の影響は個人差が大きいのです。
このことから、食事が、血中コレステロール値に与える影響も個人差が大きいといえます。
このような背景があり、2013年には、アメリカ心臓協会とアメリカ心臓学会のガイドラインにおいて、コレステロール摂取量基準が撤廃されました。
しかし、これは食事からのコレステロール摂取量を管理することが不要ということではありません。
平均的なコレステロール摂取量の範囲では、摂取量と血中値は直線的な関係があると考えられています。
そんな、コレステロールの深~い世界ですが、当たり前のようであり新鮮な情報を論文でみつけました。
韓国で行われた横断研究です。
10068人の対象者を、食事からのコレステロール摂取量が300㎎/日以上の人と未満の人に分けて、血中LDLコレステロール値を調べたところ、
脂質異常症のないグループでは差がありませんでした。
しかし、脂質異常症のあるグループでは、食事からのコレステロール摂取量が300㎎/日以上の人は未満の人に比べて、血中LDLコレステロール値が高かったのです。
つまり、脂質異常症がない人は、体内でコレステロールを調整する能力があるため、どのような食事をとろうとも血中値を調整することができる。
しかし、脂質異常症がある人は、体内でのコレステロール調節機構がうまく機能していない「脆弱な」状態にあるため、食事の影響を受けやすいということです。
脂質異常症がなければ食事管理は不要とはいえませんが、脂質異常症がある人は、食事管理の恩恵をより大きく受けられるということがいえます。
脂質異常症の重症化予防の観点からは、コレステロール摂取量を200㎎/日未満にとどめることが望ましいとされています。
コレステロール摂取量を200㎎/日未満ってどのくらい?どんな食事?については、別の記事でご紹介したいと思います。